「私こと」、「私儀」の使い方
挨拶状でよく使用される文言に「私こと」、「私儀」という言葉があります。
普段の手紙では使用されることが少ない言葉ですが、挨拶状においてはご使用になるケースが多く見受けられます。
この「私こと」、「私儀」、一体どのような意味合いをもつのかご存知でしょうか?
実はこの2つの言葉は文法的には謙譲語に当たります。
したがって「私自身のことを申し上げるので大変恐縮ではございますが」というへりくだった意味合いになり、相手に対して敬意を持って送る手紙に対して使用される言葉になります。
文章の中に普通に「私自身のことを申し上げるので大変恐縮ではございますが」と書けば良いのでは?とお考えになる方もいらっしゃることと思いますが
カードや書面はスペースが限られており、相手への敬意を含んだ手紙であるという意味をなるべく少ないスペースで表現できるという点においては、非常に工夫された言葉遣いといえるでしょう。
挨拶状での実際の使い方としては、この「私こと」、「私儀」という言葉は文章全体の文字の大きさよりやや小さくして書くのが通常です。
実際の書き方としては「さて 私こと」「さて 私儀」となります。
一般的にはこれらを「自分自身のことで恐縮ですが」という意味あいをこめて、行末に配置するように書くのが通常のマナーとされています。
この行末というのがちょっとピンと来ないかもしれません。
これについては実際の画像をご覧いただいたほうがわかりやすいと思いますので、どうぞ下の画像をご参照くださいませ。
このように、まず通常の挨拶を記入した後、挨拶状の本題に入る前に「さて 私こと」「さて 私儀」を挿入することによって
謙譲語のワンクッションを入れた文章となるわけです。
実際に挨拶状のご注文をいただくにあたって、ひとつ注意点がございます。
当店でもこの「私こと」、「私儀」は文例の中に含まれておりますが、レイアウトは他の文字と同じ大きさに設定されております。
したがいまして、小さい文字に変えたい場合はレイアウト調整が必要となりますのでご注意くださいませ。